新年を迎え静かな春の足音を感じる好時節、管内ご寺院諸老師をはじめ、ご山内寺族様、檀信徒皆様におかれましては、愈々ご清栄の事と拝察、大慶に存じます。また、平素より宗務所に対しましてご支援ご慈愛を賜り、心より御礼申し上げます。
この所報は十二月発行(今回号は一月発行)であり、昨年(令和五年)暮れに無事発行に漕ぎ着け、安堵しての年越しをしたのもつかの間、元日能登半島地震が発災いたしました。管内におきましても四十六のご寺院様、数は充分に把握できませんが数多くの檀信徒皆様が被害に遭われ、衷心よりお見舞い申し上げ、早期復興をお祈りいたすものでございます。
不穏な年の始まりではありましたが、石川県輪島市總持寺祖院へお見舞いに拝登し、倒壊している伽藍などに心を痛めていると、その奥の方で大祖堂が堂々と佇んでおりました。そのお姿に復興へ向けた大いなる力をいただきました。
本年は大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師七〇〇回大遠忌正当の年、ご本山では本法要をはじめ各行事が粛々と行じられ、当宗務所も大遠忌記念の年と位置づけ、事業を展開させていただきました。
予算所会において事業承認をいただき、「大いなる足音を繋ぐ」をテーマとしました。先ずもって前年から準備を進めてまいりましたテレホン(WEB)法話を開設し、管内宗侶が奮闘しており、皆様のアクセスが応援となります。「檀信徒地方研修会」では、DVD「三遊亭円楽・瑩山禅師の足跡を訪ねる」を視聴いただき、その中に出演している總持寺単頭役寮の柴田康裕老師より引き続き講演を賜りました。「現職研修会」は越後四箇道場慈光寺様と田上東龍寺様を会場とし、交流を深める目的で一泊二日で開催、總持寺西堂青山俊董老師には力強く宗侶へ訓戒を含んだ教えを説いていただきました。「寺族研修会」は、当初より石川県内の太祖様の足跡を拝登する予定を変えずに、能登半島地震の追悼・復興を加えての内容とし、心に触れる研修となりました。「檀信徒総括研修会」「第四宗務所梅花流奉詠大会」は太祖様が宗門の授戒会の礎を築かれた報恩行として、授戒を取り入れた差定とし、説戒を増田友厚老師にお勤めいただき、時間には制限があるものの深く掘り下げた授戒会となり、お支えいただいた皆様に深謝いたしております。
各事業については後ページに感想文など詳細を紹介させていただいておりますが、宗務所ホームページにても随時事業案内や報告を動画も交えて発信しておりますので、情報共有いたしたくアクセスいただければ幸いであります。
また、第四宗務所継続事業として「北朝鮮による拉致問題」解決に向けた、署名とブルーリボン着用運動の取り組みを随時行っておりますのでご支援をお願いいたします。
四年任期の折り返しとなりました。宗務所役職員も管内ご寺院関係皆様のお力になれるよう、宗務所軸であります「和顔愛語」をもって、進達などの執務や実りある事業企画などの職務を誠心誠意努めさせていただきますので、管内皆々様には何卒ご指導ご道愛を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、管内各位の法躰堅固・福寿無量、貴山のご隆昌を祈念申し上げ、ご挨拶といたします。 合掌
令和七年正月吉日
宗務所所長 阿部 正機 合掌
(所報第2号巻頭の挨拶より)