令和8年度 現職研修会(ご報告)

去る9月16日(水)・17日(木)の2日間にわたり、「令和8年度 現職研修会」を開催いたしました。
今年度は人権学習に重点を置き、長野県での現地研修や講義を通じ、「差別戒名」をはじめとする人権問題と正面から向き合い、仏教徒としての実践と役割を深く考える2日間となりました。

■ 講義Ⅰ:丸子解放センター・彩りの森霊園・長福寺

初日の午後は、丸子解放センター、彩りの森霊園、長福寺様を訪問いたしました。講義では、深井計美氏より部落問題や差別戒名についての歴史と現状をご講義いただきました。また現地研修では、墓石に刻まれた差別戒名から、死後にまで及ぶ差別の過酷さとその重みを直接体感いたしました。
研修に続き墓所において「被差別戒名物故者法要」が執り行われ、差別により苦しまれた先達の冥福を祈るとともに、仏教の教えに基づく差別のない社会づくりへの誓いを新たにいたしました。

■ 戦没画学生慰霊美術館「無言館」訪問

夕刻には、長野県上田市にある「無言館」を訪問いたしました。

静寂の中に佇む「無言館」

第二次世界大戦で志半ばで戦場に散った画学生たちの遺作や手紙、スケッチが展示されている無言館。作品たちが発する「無言」のメッセージは、参加者一人ひとりの心に深く響き、平和の尊さと命の重みを再確認する時間となりました。

■ 泉洞寺 拝登諷経

2日目は、軽井沢町の泉洞寺様を会場にお借りし、拝登諷経・開講式に続いて2つの講義が行われました。
はじめに、荘厳な本堂にて拝登諷経を挙げ、2日目の研修が始まりました。

泉洞寺本堂にて

■ 講義Ⅱ:「軽井沢と泉洞寺の歴史」

  • 講師: 長野県 泉洞寺住職 櫻井朝教 老師
  • 内容: 軽井沢という地域の特性と泉洞寺の歩み、地域に根ざした教化活動の実際についてお話しいただきました。

講義Ⅱ:泉洞寺住職 櫻井朝教 老師によるご講義

■ 講義Ⅲ:「天童如浄禅師の伝記と教え」

  • 講師: 本庁派遣講師(曹洞宗総合研究センター) 秦 慧洲 老師
  • 内容: 道元禅師の師である天童如浄禅師の生涯や「只管打坐」の教え、その歴史的背景について専門的な知見から分かりやすく解説していただきました。

講義Ⅲ:本庁派遣講師 秦 慧洲 老師によるご講義

■ 泉洞寺境内

会場となった泉洞寺様は、境内のいたるところにユニークで心和む地蔵尊や飾りが施されており、地域の開かれたお寺としての温かみが感じられました。

「氷環(カーリング)慈石地蔵」と「卓球慈光地蔵」

境内の青々とした芝生沿いに並ぶ微笑ましい石仏群

本堂内にある色鮮やかな「だるま石」

一石一石に丁寧に描かれた三十三観音の描画石

本堂にて参加者全員での記念撮影

今回の研修会は、差別や人権という大きな課題に向き合うとともに、曹洞宗の歴史や教えを再確認する大変実り多き2日間となりました。研修会での学びを日々の寺門運営や教化活動に活かして頂き、また差別なき平穏な社会の実現に向かうべく、宗務所として今後も研修と啓発を進めてまいります。
研修会開催にあたり、ご理解とご協力をいただきました関係各位に深く感謝申し上げます。

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